インド最初期仏教 覚え書き 備忘録

現上座仏教教団(スリランカ タイ ミャンマー等)が保持するパーリ語経典からの引用を中心にした仏教紹介。

インド

ゴータマ・ブッダが説く「わが教えにおいて禅定は真髄ではない。」アッサジ経 part③まとめ 相応部経典から 番外編[禅定について]

shonannokaze2023.hatenablog.com 前回の続きです。 今回は、「禅定を獲得できなかったことへの不行儀と後悔を釈尊へ告白する場面」のまとめになります。 アッサジ経 (Assaji-sutta) パーリ仏典 第三期5 相応部 蘊篇 蘊相応第九 長老の章 大蔵出版p436~ 受…

ゴータマ・ブッダが説く「わが教えにおいて禅定は真髄ではない。」アッサジ経 part② 相応部経典から 番外編[禅定について]

shonannokaze2023.hatenablog.com 前回の続きです。 今回は、アッサジ比丘の語る「禅定を獲得できなかったことへの不行儀と後悔を釈尊へ告白する場面」になります。 アッサジ経 (Assaji-sutta) パーリ仏典 第三期5 相応部 蘊篇 蘊相応第九 長老の章 大蔵出版…

 ゴータマ・ブッダが説く「わが教えにおいて禅定は真髄ではない。」アッサジ経 part① 相応部経典から 番外編[禅定について]

前回の続きです。⇩ shonannokaze2023.hatenablog.com 今回から八正道の中に、(禅定、正定は入っている、欲を離れるためには必要であるが、~前回の話)‘’禅定は仏教の真髄ではない‘’というお経をご紹介したいと思います。 アッサジ経 (Assaji-sutta) パーリ仏…

ゴータマ・ブッダが説く、欲を捨てるタイミング 中部経典14 小苦蘊経から PART2 ゴータマ・ブッダ御自身の場合 番外編[禅定について]

shonannokaze2023.hatenablog.com 前回の続きです。⇑ 今回はゴータマ・ブッダその人ご自身の正定、禅定体験の告白です。 中部経典 第114 小苦蘊経 (Cūladukkhakkhandha-sutta) 片山一良訳 大蔵出版 中部① p251~ マハーナーマよ、私も覚る以前(成道以前)、…

ゴータマ・ブッダが説く、欲を捨てるタイミング 中部経典14 小苦蘊経から PART1 番外編[禅定について]

⇩今まで感受(感覚)の楽味(長所)、危難(欠点)、出離の事、いわゆる心の集中の先にある、人間の持つ眼耳鼻舌身の感覚器官を超えた「禅定」、その楽味(長所)、危難(欠点)、出離について述べて来ました。 ゴータマ・ブッダが説く「感受(感覚)の楽味とは何か?」…

ゴータマ・ブッダが説く「感受(感覚)の楽味とは何か?」四聖諦を理解するために。「苦Dukkhaドゥッカ」の意味とは?大苦蘊経 PART14[次第説法47 感受(感覚)の楽味]

shonannokaze2023.hatenablog.com 前回の続きです。 パーリ語仏典 中部経典第13 大苦蘊経(mahaa dukkha khanda sutta) 片山一良訳 大蔵出版 P246~から引用 感受の楽味 「つぎに、比丘たちよ、もろもろの感受の楽味とは何か。 比丘たちよ、ここに、比丘は、…

ゴータマ・ブッダが説く「色(物質、容姿)の出離とは何か?」四聖諦を理解するために。「苦Dukkhaドゥッカ」の意味とは?大苦蘊経 PART13[次第説法46 色(物質、容姿)の出離]

shonannokaze2023.hatenablog.com ↑前回の続きです。 今までは色(物質、容姿)の危難、欠点について述べてきました。 今回からその対策、色(物質、容姿)の出離(解放)nissaranaを見ていきたいと思います.。 まず人間にとりまして、色(物質、容姿)の楽味、楽し…

ゴータマ・ブッダが説く「色(物質、容姿)の危難とは何か?②」四聖諦を理解するために。「苦Dukkhaドゥッカ」の意味とは?大苦蘊経 PART12[次第説法45 色(物質、容姿)の危難]

shonannokaze2023.hatenablog.com ↑ 前回の続きです。 今回も、「色(物質、容姿)の危難②」についてです。 パーリ語仏典 中部経典第13 大苦蘊経(mahaa dukkha khanda sutta) 片山一良訳 大蔵出版 P244~から引用 「また、比丘たちよ、その同じ女性が死体で墓…

ゴータマ・ブッダが説く「色(物質、容姿)の危難とは何か?①」四聖諦を理解するために。「苦Dukkhaドゥッカ」の意味とは?大苦蘊経 PART11[次第説法44 色(物質、容姿)の危難]

shonannokaze2023.hatenablog.com ↑ 前回の続きです。 今回は、「色(物質、容姿)の危難」についてです。 パーリ語仏典 中部経典第13 大苦蘊経(mahaa dukkha khanda sutta) 片山一良訳 大蔵出版 P243~から引用 色の危難 「つぎに、比丘たちよ、もろもろの色…

ゴータマ・ブッダが説く「色(物質、容姿)の楽味とは何か?」四聖諦を理解するために。「苦Dukkhaドゥッカ」の意味とは?大苦蘊経 PART10[次第説法43 色(物質、容姿)の楽味]

shonannokaze2023.hatenablog.com ↑前回の続きです。 今までは↓ shonannokaze2023.hatenablog.com 一方に坐ったポッカラサーティ・バラモンに、世尊は、順々の話[次第説法]をされた。 すなわち、布施の話、戒の話、天の話、もろもろの欲望における危難、卑…

ゴータマ・ブッダが説く「欲の出離、解放とは何か?」四聖諦を理解するために。「苦Dukkhaドゥッカ」の意味とは?大苦蘊経 PART9[次第説法42 欲の出離、解放]

前回の続きです。↓ shonannokaze2023.hatenablog.com 仏教で言う「苦 Dukkhaドゥッカ」とは何か?四聖諦を理解するために。大苦蘊経 PART1[次第説法33 欲の欠点、危難⑧ 離欲の利点、功徳⑥] - インド最初期仏教 覚え書き 備忘録 「比丘たちよ、そのように語…

まとめ  四聖諦を理解するために。「苦Dukkhaドゥッカ」の意味とは?大苦蘊経 PART8[次第説法41 欲の欠点、危難]

今までのまとめです。まず↓ 仏教で言う「人間が得る欲の楽味、楽しみ」とは何か?四聖諦を理解するために。「苦Dukkhaドゥッカの意味とは?」大苦蘊経 PART2[次第説法34 欲の楽味、楽しみ①] - インド最初期仏教 覚え書き 備忘録 ここで、ゴータマ・ブッダ…

「未来の苦」を作り出す元は現世の欲(kaama)。四聖諦を理解するために。「苦Dukkhaドゥッカ」の意味とは?大苦蘊経 PART7[次第説法40 欲の欠点、危難]

shonannokaze2023.hatenablog.com ↑前回の続きです。人間が生活をし、時に余暇を楽しむためには(=人間が持つ眼、耳、鼻、舌、身という感覚器官から喜びを得るためには)、煩わしいリスクを同時に受けなければならない、また来世へのリスクも同時に受けなけれ…

国家権力を持たない庶民、盗賊が欲のために犯罪を犯すと、時の国王に処刑される。四聖諦を理解するために。「苦Dukkhaドゥッカ」の意味とは?大苦蘊経 PART6[次第説法39 欲の欠点、危難]

shonannokaze2023.hatenablog.com ↑前回の続きです。人間が生活をし、時に余暇を楽しむためには(=人間が持つ眼、耳、鼻、舌、身という感覚器官から喜びを得るためには)、煩わしいリスクを同時に受けなければならないという事の考察が続きます。 パーリ語仏…

「人間が得る欲の危難(障害、煩わしさ)とは何か?」『庶民は戦争に巻き込まれ、徴兵され、死ぬほどの苦しみに遭う可能性あり。』 四聖諦を理解するために。「苦Dukkhaドゥッカ」の意味とは?大苦蘊経 PART5[次第説法38 欲の欠点、危難]

shonannokaze2023.hatenablog.com ↑前回の続きです。人間が生活をし、時に余暇を楽しむために(=人間が持つ眼、耳、鼻、舌、身という感覚器官から喜びを得るために)は、煩わしいリスクを同時に受けなければならないという事の考察が続きます。 パーリ語仏典 …

仏教で言う「人間が得る欲の楽味、楽しみ」とは何か?四聖諦を理解するために。「苦Dukkhaドゥッカの意味とは?」大苦蘊経 PART2[次第説法34 欲の楽味、楽しみ①]

shonannokaze2023.hatenablog.com ↑この前回の続きです。パーリ語仏典 中部経典第13 大苦蘊経(mahaa dukkha khanda sutta)片山一良訳 大蔵出版 P237から引用 欲の楽味「比丘たちよ、もろもろの欲の楽味とは何か。比丘たちよ、つぎのような五種の欲妙がありま…

仏教で言う「苦 Dukkhaドゥッカ」とは何か?四聖諦を理解するために。大苦蘊経 PART1[次第説法33 欲の欠点、危難⑧ 離欲の利点、功徳⑥]

shonannokaze2023.hatenablog.com 一方に坐ったポッカラサーティ・バラモンに、世尊は、順々の話[次第説法]をされた。すなわち、布施の話、戒の話、天の話、もろもろの欲望における危難、卑劣・汚れを、離欲における功徳を説明された。世尊は、ポッカラサ…